ある日の奇妙な音風景……?
[リバイバル版初回投稿:2020年9月27日]
続きものの記事「トイレの夢が変化した」の途中ではありますが、今日は別の話題を。
書いてみたいことはほかにもあるし、それに
なんか「トイレ」「トイレ」って、そればかり書いてるのもなんだし(笑)。
数日前のちょっとした出来事です。
その日の朝はゆっくりめの起床で、
洗濯も普段より遅めの9時台にようやく取りかかっていました。
洗い終わった洗濯物をベランダで干していたときのことです。
突然どこからか
♪ゆ~き~やこんこ あ~られ~やこんこ 降っては降っては……
と曲が流れてきました。
「え?『♪ゆ~き~やこんこ』って……」
それがどこから流れているのか、何のために流されているのか、そのときは全く分かりませんでした。
しかも、まだ11月上旬。ここは愛知。雪が降るような時期でもなく。
そんなこんなで、その曲が流れてきたことが
わたしにはとても奇妙に思えて、ちょっと怖くもなりました。
「本当に、どこから流れてきているんだろう?」
「何なんだろう?」
そう思って改めてあたりを見まわしていて、
やがてマンションの北側の道に1台のトラックの頭を見つけました。
そのトラックは住宅の陰から現れ出てきて、ゆっくりと走っていきます。
曲はどうやらそこから聞こえてきているようでした。
トラックの見た目から、なんとなく
「ガス会社かな?」
と思いました。
トラックにはアルファベットで会社名が書かれていましたが、
文字の色となんとなくの形が分かるくらいで、読めるほどはっきりとは見えませんでした。
でも、トラックの存在を目で見て確認して、「ガス会社かな?」と思えただけで、
それまでの奇妙な感じや怖さはだいぶ薄れました。
洗濯物も干し終わって、一段落ついたところで
「結局さっきのあれって、どこの何だったんだろう?」
と思ったわたしは、
雪やこんこ ガス会社?
という感じで検索して調べてみました。
朝の音(曲)の正体、トラックの正体はすぐに分かりました。
灯油の巡回販売や天然水の販売、エアコンクリーニング、ハウスクリーニングなどを行っている
シューワ
という会社のトラックだったんですね。
さっきは“色となんとなくの形”しか分からなかったアルファベットの会社名も、
うん、そうか、「SHUWA」ね。言われてみれば(分かれば)確かにそうだった。
そして、「♪ゆ~き~やこんこ」と流れてくるのは、
「灯油巡回販売の車が来たよ」という合図、お知らせだったのでした。
ちゃんと分かってすっきり。そして、すっかり安心しました。
知らなかったとはいえ、「ちょっと怖くもなった」だなんて、
シューワさん、ごめんなさい m(_ _"m)
ホントに、日常のちょっとした出来事。
だけど、なんかおもしろかったんですよね。
「♪ゆ~き~やこんこ」と聞こえてきたとき、灯油の巡回販売を待っている人にとっては、
それが「合図」「知らせる音」*1 として機能する。
また、灯油を必要としていなくても、
「巡回販売の車だな」「シューワさんだな」と分かっている人、知っている人には、
それは単なるそのメロディーでしかなかったりします。
さらに、それが何のための曲なのかを知っているかどうかにかかわらず、
「よく知っている曲(童謡)が流れてきた」くらいにしか思わないということだって、
当然あると思います。
でも、そのどれでもなかったわたしの場合、
性格的なものやそのときの気分というのも影響していそうではあるけれど、
「奇妙な感じ」「ちょっと怖い」音になった、ということ。
そして、
音の主や目的が分からない
↓
トラックの存在(確認)となんとなくの予想(「ガス会社かな?」)
↓
シューワという会社の灯油巡回販売だと分かった
といわば“音の正体”が分かってくるにつれて、
奇妙な感じや怖さは薄れていき、安心した、ということ。
確かに、人間って「分からない何か」や「不完全なもの」に対しては
それがすごく気になったり、ときには不安、恐れ、苛立ちを覚えることもあったりして、
そんな風に落ち着かない感じになるということがあるよなぁ、と思うし。
朝、1つの曲が耳に飛び込んできた、そのことで自分のいろんな反応やこころの動きがあり、
あれこれ思ったり考えたりもして、そういったことの全体がなんかおもしろかった。
結果的に、めいっぱい楽しんじゃいました。
話を終わりにする前に、もう少しだけ。
今回記事を書くのにいくらか調べ物をしていて、そこで初めて知ったのですが、
♪ゆ~き~やこんこ あ~られ~やこんこ
の曲のタイトルって『雪』というんですね。
知らなかったなぁ……『雪やこんこ』かと思ってた。
そして、
♪犬は喜び 庭かけまわり 猫はこたつで 丸くなる
は2番の歌詞だったんですね。これにはけっこう驚きました。
Wikipedia に
1番と2番を間違えて歌ったり、1番の第2節から2番の第3節につなげて歌う人が多い。
雪 (童謡) – Wikipedia
と書かれているのですが、わたしはまさしくこのパターンでした……。
(Wikipedia に歌詞が載っています)

*1 「知らせる音」というものについては、以前履修した『音を追究する(’16)』という授業(放送大学)で少し触れられていて、それが今回あれこれ思うところに結びつきました。なお、『音を追究する(’16)』の印刷教材(テキスト)はどなたでも購入できます。また、放送授業もラジオ(もちろんインターネットラジオでもOK)でどなたでも聞くことができます。
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